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地蜂が巣まで道案内 伊那市で伝統の「すがれ追い」
2024年7月30日
地蜂(クロスズメバチ)を追いかけて地中の巣を探す伊那谷伝統の「すがれ追い」を体験する催しが28日、伊那市のますみケ丘平地林であった。蜂の飼育や食文化の伝承に取り組む市地蜂愛好会が毎年企画し、会員を中心に県内外の約30人が参加。声をかけ合いながら追い、楽しみながら地域の伝統文化を体験した。
同会の役員らが1週間ほど前に木の枝などに餌のイカの切り身をつるし、蜂をおびき寄せた。参加者は、食い付いた蜂に白いひもやビニールなどの目印を付けて追跡。巣を特定すると、煙幕で蜂を弱らせて巣を慎重に手で掘り出した。
参加者はグループに分かれて体験した。目印を見て「行った、そっちだ」「追え、追え」と、足場の悪い森林をものともせず激走。蜂が木に引っかかる場面もあったが、再度飛び立つのを待ち、見失わないように協力して追った。
高遠小学校(同市)5年の児童は「途中で見失って、みんなで探していたら2、3匹穴の中に入って行くのが見えた。怖いけれど、きょうは人がたくさんいて安心できた。巣を見つけることができてうれしい」と喜んだ。
採集した巣は直径5〜7センチの5個で、会員が持ち帰った。10月下旬には巣の重さを競う「地蜂の巣コンテスト」を控えており、育てて出展するという。
同会は上伊那地域を中心に県内外の約45人で活動する。山口政幸会長(75)は「最近は昆虫食について取り上げられている。地元の文化の継承と会員の親睦に続けていきたい。採れた巣がどのくらい大きくなったか秋に見るのも楽しみ」と話した。
(写真は、目印の蜂を探す会員ら)