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大芝のアカマツ学習机に 南箕輪中 松枯れ対策で活用

2024年7月20日


 南箕輪中学校(南箕輪村)の2年生用学習机170台が19日、村大芝高原のアカマツ材の天板に張り替えられた。同高原では松くい虫(マツノザイセンチュウ)による松枯れが深刻で、枯れる前に活用しようと村が初めて計画。来年度は残りの学年用約360台分に取りかかり、全てを変える予定だ。
 天板に使ったのは樹齢80〜100年の丸太45本分で、板を5枚貼り合わせた縦45センチ、横65センチ、厚さ2センチ。反りの防止と強度を高めるため、ウレタン塗装を施した。村教育委員会によると、軽くて柔らかいのが特徴。「時間とともに風合いが増す」という。
 張り替えは2年の生徒も携わり、有賀製材所(伊那市)の有賀真人代表取締役や村職員ら10人と一緒に作業した。5組の27人は、少人数のグループごと計5台分を担当。天板の裏側から机の脚を固定していたねじを外し、新しい天板を取り付けた。
 塩澤春瑠さん(13)は「こつをつかんだら、うまくできて楽しかった。机がきれいになったので集中できそう」と笑顔だった。有賀代表取締役は「ぬくもりがあって、味わいがある木。大芝のアカマツに感謝して使ってほしい」と話した。
 村では公共施設に活用したり、1歳半健診時に親子に渡すおもちゃや保育園の遊具に使ったりとアカマツの利用を促している。村教委の担当者は「学校生活の中でも、同高原のアカマツに触れてもらいたい」と話していた。
 同高原のアカマツは、約130年前に「将来の村の子どもたちのために」と先人が植えた。20年ほど前から松枯れの被害が確認されるようになり、村は有効活用を目指した主伐と、樹種転換で後世へ森林を残す取り組みを続けている。
(写真は、机の天板を張り替える生徒)