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伊那アルプス美術館が再開 1日から「垣内カツアキ近作展」
2024年6月28日
箕輪町富田、伊那アルプス美術館の館主で洋画家・垣内カツアキさん(89)=辰野町=が7月1日(月)から、同館で近作展を始める。大病を患って昨年3月から休館していたが、体調が回復したため運営を再開する。「また制作できる喜びを伝えたい」との感慨を込め、今春に仕上げた5点を含む約80点の新作を展示する。
県道与地辰野線沿いにある同館は、1997(平成9)年の開設。フランス芸術家協会のル・サロン永久会員などを務める垣内さんの私設美術館で、風景や静物を題材にした本人の作品や、勉強のために購入した国内外の作家の作品など約200点を展示する。企画展も年2回開く。
一昨年11月末までの2022年後期展「高原の輝きと哀愁」開催後に体調を崩し、昨年3月に手術。1カ月の入院を経て自宅療養に励んできた。作家魂はなえることなく、油彩より体力がいらないという水彩で試作を繰り返し、今春から絵筆が握れるように。「夢にも思わなかった」と個展の開催にこぎ着けた。
今春、仕上げたのは「小海町春景」(F60号)や「山村花盛り」(F50号)など、病気で制作を中断していた作品。「近づく春の喜びを表現した」といい、樹木の花が咲き誇り、柔らかな日差しが降り注ぐ。試作した水彩の「山村の春」「アルプスを望む丘」も並べ、油彩との違いを楽しんでもらう。
各所に出かけてはスケッチに励み、現地で見たもの、体で実感した空気を表現するのがスタイル。「一点でもおろそかにしない。良い仕事を残していかなければ」との思いが根底にあり、「これからは無理をせずに、マイペースでやりたい」と話すものの、気力は衰えを知らない。
近作展は11月30日(土)まで。開館時間は午前10時〜午後5時。日曜休館。入館料は高校生以上400円。フランスやイタリアなど国内外の著名画家の洋画、版画など約200点を集めた常設展もある。問い合わせは同館(電0265・70・7020)へ。
(写真は、今春仕上げた「小海町春景」)