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辰野町24年前のタイムカプセル開封

2024年6月11日


 辰野町役場ロータリーで9日、2000年に埋められたタイムカプセルの開封式があった。納められていたのは、当時の小中学生らが21世紀を夢見てつづった作文1892通。書いた本人たちが集まって読み、24年前を懐かしんだり、自身の成長を実感したりした。
 作文を書いた人や家族ら約250人が集まった。式では町政施行20周年を記念して1976年にロータリーに建てられた塔を開き、中に入っていたカプセルを取り出した。関係者によって封が開けられ、作文や当時の町の映像を収録したビデオなどの埋設物がお目見え。代表者2人が自身の作文を読み上げて発表した。
 代表の1人、川島のパート従業員女性(35)は「小学校の先生か保母さんになりたい」と夢を抱き、川島小6年時に作文を書いた。読み返し「思い描いた未来にはなっていないけれど、大事な我が子がいて、笑って生きていられるので、十分かなと思う」と話した。
 もう1人の代表者は、辰野中2年時に作文を書いた北大出の会社員男性(37)。作文では中学校舎の近代化などを夢見て、「時代が進んで壊される物もあると思うけれど、良い辰野町でいてほしい」と願った。読み終え「ずっと町に住んでいるが、良い町というのは変わらず、願い通りになっている」とした。
 代表の2人以外の作文は町民会館で返却。おのおの読み返し、当時に思いをはせていた。同館ではカプセルに入っていたビデオの上映やたつの新聞の記事で当時を振り返る展示も。ことしの干支(えと)の「辰(たつ)」にちなみ、浜松市の保存会による「竜神の舞」も披露された。
 カプセルは2000年の辰年と千年の区切りを記念して実行委員会が企画し、次の次の辰年となる24年後に開くことを約束した。開封式は「辰年プロジェクト」の一環として町が主催した。
(写真は、2000年に埋めたタイムカプセルを開封する関係者たち)