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「まが玉カード」で遺物紹介 八ケ岳総合博物館「王様のネックレス」も
2024年5月6日
県埋蔵文化財センター(長野市)は、県内14館と協力して「まが玉カード」を作った。県内で出土した縄文、弥生、古墳時代の遺物を紹介する15種類で、同センターを含む各館で配布。諏訪地域では、茅野市八ケ岳総合博物館が常設展示する首飾りが「王様のネックレス」としてカード化された。
縦約9センチ、横約6センチで、表に実物の写真を載せた。裏には出土した遺跡や時代、発見日、大きさなどの基本情報のほか、見つかった理由やまが玉の特徴も紹介。カード化に合わせ、普段は展示をしていない館でも実物が見られる。
八ケ岳総合博物館の首飾りは、大塚古墳(同市塚原)から出土。同館によると、道路を直すための石材採取に伴う発掘調査で、1891年に発見された。約1300年前の古墳時代後期の遺物で、瑪瑙(めのう)や水晶、滑石製のまが玉のほか、管玉や切子玉、丸玉の計102点で構成されている。
所蔵者から寄託されて展示するに当たり、首飾りの状態に復元した。長さ48センチ、厚さ平均3センチで、重量は約400グラム。同館学芸員の南澤侑李さんは「実物の大きさを見てほしい。足を運んでもらう切っかけにもなれば」と期待する。
同センターは、これまでに「縄文」をテーマにカードを2回作製し、まが玉は第3弾。博物館巡りを楽しんでもらおうと、採用したまが玉や展示施設を紹介する「たんけんマップ」も作り、各館で配布している。担当者は「遺跡や出土品に親しみを持ち、保護する業務について理解してもらうことにもつながれば」と話す。
同館には1000枚のカードが割り当てられ、実物を見た来館者に配布している。開館時間は午前9時〜午後4時半。月曜日と祝日の翌日は休館。問い合わせは同館(電0266・73・0300)へ。
(写真は、カード化された首飾りが展示されるコーナー)