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世相「中の上」のご託宣 岡谷市西堀名木保存会がコブシの花占い
2024年4月8日
西堀区の住民有志でつくる西堀名木保存会は7日、一年の世相を見定める「辛夷(こぶし)の花占い」をコブシの木が立つ区内の横河川右岸で行った。記録が残る1961(昭和36)年以降、初めて花がなく、集まった30人余りは「つぼみ」を見上げながら異例の意見交換。「これから良い花が咲いてくる」との期待も込めて昨年に続き、「中の上」のご託宣とした。
幹が二股に分かれていたことから、地元では「夫婦辛夷」とも呼ばれ、県道下諏訪辰野線の横河川橋から堤防沿いの60メートルほど下流に樹齢300年余とされる大木があった。これが2000年に枯死したため、01年に現在の占い木となっている2代目を植えた。
市街地の桜よりも早く、例年は3月終わりころから4月初めにかけて花が咲き始めるが、ことしは3月の冷え込みや降雪などもあって足踏み。続々集まった会員も「こんなことは今までない」などと驚きつつ、まずはコブシに一礼。乾杯に続き、つぼみの具合を確認した。
「あと数日で良い花が咲いてきそう」「期待できる」などの声が上がり、満場一致で「中の上」とした。代表世話人の河口富男さん(84)は「ことしは元日の能登半島地震や、航空機事故もあった。そんな中で、期待も込めてここから上向いていってもらいたい」と願っていた。
辛夷の花占いは、桜より早く咲くコブシの木の下で、酒を酌み交わして歓談したのが草分けとされる。「花が上向きなら豊作、下向きなら凶作」「横に咲けば風が吹く」などといわれ、農家が多かった昔は世相と共に作柄も占った。
(写真は、コブシの「つぼみ」を見て世相を占う参加者)