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研究センターが開所—諏訪湖環境課題解決へ—

2024年4月2日


 県は1日、岡谷市長地権現町の県男女共同参画センターあいとぴあ内に県諏訪湖環境研究センターを開所した。同日から業務を始め、諏訪湖を中心に県内河川、湖沼の水環境に関する課題解決に向け、水質と生態系の調査研究を一体的に行っていく。
 建物1階部分は、あいとぴあの機能を残し、2〜4階に環境研究センターが入る。職員は20人体制でスタートを切った。
 県は2018年度から19年度にかけて有識者らによる検討会を実施し、センターの在り方を取りまとめた。それによると諏訪湖を中心に県内河川、湖沼の水環境保全に向けた研究機能、水環境保全に関する情報発信の拠点とするほか、地域に根差し、住民の学びを幅広く支援するコーディネート機能を担う。
 公立諏訪東京理科大学(茅野市)や県水産試験場、信州大学諏訪臨湖実験所(諏訪市)など関係機関、市町村、住民グループなどとも連携を強めながら、諏訪湖のあるべき姿を示す指針「諏訪湖創生ビジョン」の実現に向けた事業にも取り組む。
 同日は、非常勤のセンター長に就いた高村典子さん(国立環境研究所客員研究員)の辞令交付が県庁であり、この日午後に着任した。常勤の所長には前諏訪地域振興局環境課長の田邊皇子さんが就いた。
 田邊所長は「諏訪湖は長年の取り組みで水質は泳げるレベルにまで改善しているが、生態系は漁獲量を含め地域の要望通りになっていない。生態系と水質を一体的に調査し、県内河川、湖沼を含めて課題を解決していきたい」と話した。
 9日(火)には阿部守一知事や、6市町村の首長らが出席して開所式が行われる。
(写真は、1日に開所した県諏訪湖環境研究センター。建物の2〜4階部分に入る)