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動画で知って多文化共生 辰野町地域おこし協力隊が制作

2024年3月7日


 辰野町の地域おこし協力隊の渡邊麻衣さん(39)が、異なる国の文化の違いを認めて共に生きていく「多文化共生」の考えを広めるための短編動画を作った。日本人に向けた内容で、地域で暮らす外国籍の人にどう接すればいいのかを伝える。渡邊さんは「動画を見て、外国籍の人に対して自らアクションを起こしてみて」と話す。
 動画は、イラストやホワイトボードを使う「お絵描きムービー」という手法を用いた。国内への外国人移住者が増えている状況や、海外にルーツを持つ子どもが日本の学校で友達をつくりづらいことを紹介し、多文化共生の大切さを説く。
 外国籍の人への接し方としては、▽思いを表情や身ぶりで伝える▽相手の国の文化やマナーを知る▽日本の普通や考え方を押し付けない—の三つを挙げる。交流する時の心構えとして「互いのことを知りたい気持ちを持って」と呼びかける。
 町によると、1月1日時点で、町内にいる外国籍の人は444人。町内で渡邊さんは、外国籍の人の相談に乗ったり、海外にルーツのある子どもの学習支援や日本語指導をしたりしている。ただ活動の中で多文化共生の考えが浸透していないと感じ、動画制作を決めた。内容や構成は自身で考え、お絵描きムービーのクリエーターに形にしてもらった。
 渡邊さんは「多くの人が地域にいる外国籍の人に対し外国語であいさつをしなければいけないと思い込み、交流できずにいる」と指摘し、日本語でいいから積極的にあいさつをしてほしい」と訴える。
 動画は約2分40秒。動画共有サイト「ユーチューブ」の「たつの暮らし」チャンネルで公開中。町ホームページでも視聴できる。
(写真は、「多文化共生」の考えを広めるために制作した動画を見る渡邊さん)