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「小野おんばしら」の衣装展示

2024年2月26日


 辰野町小野雨沢の青年会「友愛団」が扮(ふん)する雲助の衣装が、南箕輪村のJA上伊那南箕輪支所に展示されている。昨春に行われた矢彦神社(同町小野)と小野神社(塩尻市北小野)の御柱祭「小野おんばしら」で着て、注目を集めた奇抜な意匠。団員が躍動した祭りをほうふつさせている。
 衣装は「肉シャツ」とも呼ばれ、上下の肌着に入れ墨のような模様が描かれているのが特徴。展示したのは祭りに合わせて新調した8着で、竜や虎、朱雀、風神、雷神などがモチーフ。緻密なデザインが目を引く。
 飾られているのを知らずに訪れた人も、物珍しさで見入っているという。団長の宇治由智さん(33)は「町外では小野おんばしらを知らない人が多い。展示を切っかけに、祭りに関心を寄せてほしい」と話す。
 展示は衣装をデザインした同村田畑のイラストレーター、加藤恵理子さん(39)が同団から借りて、昨秋に地元の区民祭で飾ったのが切っかけ。同支所職員が見て、多くの人に見てもらおうと依頼した。
 色付けには布専用の墨を使った。布に描くのは初めてだったというが、色を混ぜたり、水で薄めたりと色合いを試行錯誤。入れ墨の画像などを参考にしながら、濃淡をつけて表現した。
 曳行の様子をモチーフにしたF50号の油彩も展示。油彩は全国の展示会に出品され、入賞した。衣装を着て、歌舞伎役者のような化粧で柱を曳く団員が描かれており、祭りの熱気を伝えている。
 加藤さんは「歴史ある祭りに、衣装作りで参加できたのはうれしいこと。団員の数は減っている。展示を見て、祭りの伝統を守っている青年団の取り組みも知ってもらいたい」と期待する。
 平日午前9時〜午後4時に見ることができる。無料。
(写真は、展示されている衣装)