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「カワイイの原点」其残の作品を収録 下諏訪町諏訪湖博物館が図録制作
2024年2月18日
下諏訪町諏訪湖博物館・赤彦記念館は、25日(日)まで同館で開催している「癒しのアートKIZAN〜カワイイの原点 岩波其残(きざん)〜」に合わせ、展示品や其残(1815〜94年)の収蔵品を紹介する図録を作成した。
其残は文出村(現諏訪市文出)出身の画人・俳人。晩年の86(明治19)年ごろから90(同23)年ごろまで、下諏訪町長も務め大地主だった小口正衛(友之町上町=現在の大社通)の元で過ごし、数多くの作品を小口家に残した。同家が「小口家コレクション」として町に寄贈し、約730点を同館が収蔵している。
町制施行130周年記念として開催されている同展では、収蔵品のうち約100点を展示。図録には展示されている掛け軸や楽焼、絵手本、扇子、まくりの絵、うちわ、俳画、白蚊帳など、同コレクションのうち整理が終了した約120点を載せた。
白蚊帳には、諏訪湖を思わせる場所で水浴びや魚釣りをして遊ぶ子どもらの楽しそうな姿。赤穂浪士の討ち入りや花見など七つの場面が、横長の紙に動きを持って描かれた大判掛け軸では、当時の人々の暮らしぶりや祭りの様子などが豊かな表情とともに表現されていて、庶民の暮らしぶりをうかがう資料にもなっている。
紫金桃(しきんとう)を名乗っていた小口正衛の俳画なども収録。学芸員の太田博人さんは「企画展で紹介できなかった作品も載せてあり、家でも其残が楽しめる。癒しのアート其残の作品に触れてほしい」と話している。
A4判、28㌻。価格は千円(税込み)。問い合わせは同館(電27・1627)へ。(写真は、作品を載せた図録)