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飛行機復元で被災地支援—能登観光に特化事業を—
2024年2月6日
能登半島地震の発生から1カ月。諏訪地域でも個人や団体、自治体が義援金を集めたり、物資を届けたりと支援の輪が広がる。飛行機を製造する茅野飛行機製造(茅野市宮川)の橋本徹社長(64)=同=は「被災地を元気にしたい」思いから1日、クラウドファンディング(CF)で資金を募り始めた。スクラップ(廃棄)寸前の9人乗り双発機「ビーチクラフトH18」をレストア(復元)して、被災地の復興や復旧につなげる新たな観光事業を立ち上げる計画で、「この機体で被災地を元気づけ、復興復旧の象徴にしたい。『能登は負けんが』」と思いを込める。寄付は3月31日(日)まで受け付ける。
CFは宮崎県の航空大学校の格納庫に、新たな訓練機の配備に伴い35年間、保管されていたビーチクラフトH18がスクラップになるのを受け、同大の校長から「どうにかならないか」と相談を受けたことから始まった。1930年代に米国で生まれた同機体は、日本に44台あったが、ほとんどが博物館に収蔵され、橋本社長によると現役はこの1機しかないという。「貴重なクラシック機を後世に残したい」と復元場所を探し始めた。
そんな中、元日に能登半島地震が発生。石川県羽咋市出身の橋本社長は故郷を思い「少しでも支援したい」と、機体を動かせる状態にし、当初は売却して義援金にしようと考えたが、進める中でCFの規定で寄付ができないことから「能登の観光に特化した事業を展開し、能登、福井、富山空港を基軸にした観光事業をやろう」と計画を切り替えた。
全国各地の空港に相談する中、山梨県甲斐市の「日本航空学園」に打診したところ、能登空港内にある能登空港キャンパスの格納庫の使用許可を得てCF計画がスタートした。
橋本社長は「金銭での援助はできないが、飛行機を通じて、見守っているメッセージを被災地に伝えられれば。北陸3県を盛り上げるためにも、皆さんの気持ちを少しでも頂ければ」と呼びかける。
目標金額は解体や機体修理費をはじめ、陸送、塗装、観光事業の運営に係る費用や返礼品などに当てる5500万円。達成後は宮崎の格納庫でばらして、能登空港に陸送し、現地でレストアする予定。支援はCFサイト「CAMPFIRE」の「ビーチクラフト機のレストアプロジェクト」を検索して希望の支援金で申し込む。
問い合わせは同社(電080・4377・6351)へ。
(写真は、立ち上がったCFサイトでプロジェクトページをPRする橋本社長)