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御霊代(みたましろ)春宮へ 諏訪大社下社で遷座祭 下諏訪町

2024年2月2日


 諏訪大社下社の春の遷座祭は1日、下諏訪町内で行われた。諏訪大社神職や大総代、ことしの御頭郷、岡谷市湊・川岸地区の氏子ら約100人が参列。昨年8月1日の夏の遷座祭以降、秋宮に祭られていた御霊代(みたましろ)を春宮に遷(うつ)した。
 4年連続で参列者を通常の半分程に減らし、規模を縮小した。秋宮で出御(しゅつぎょ)の儀など神事を執り行った後、御頭郷地区の氏子、大総代、白丁奉仕員らが行列を仕立てて出発。薙鎌、白旗、御霊代を納めたみこしなどを担いで歩いた。
 列は大社通りから友之町、魁町を経て大門通りへ。下馬橋は御霊代のみが渡り、春宮に到着した。春宮では、春一番に芽吹く神聖な木とされるカワヤナギの枝先を用いた楊柳(ようりゅう)の玉串を神前に供え、入御(にゅうぎょ)の儀を執り行った。
 沿道では、住民らが厳かな行列を見守り、御霊代に頭を下げてさい銭を投げる様子も。一年の多幸や無事平穏などを願った。兵庫県から来た60歳代の女性は「氏子や町の人が参加している様子や、神様が先に春に向かうという伝統が素晴らしい。こういった行事がずっと残ってほしい」と話した。
 下社遷座祭は、半年ごとに御霊代を春宮と秋宮の間で遷す特殊神事。春の遷座祭は立春を前に、田畑の神を里に迎える原始的な農耕儀式が変化したとの説もある。8月1日(木)にある夏の遷座祭は「お舟祭り」として執り行われ、遷座の行列に引き続き「柴舟」を曳行する。(写真は、白丁奉仕員に担がれ、春宮へと向かう御霊代)