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善知鳥峠の民話アニメ化 地元の両小野中で上映会

2024年1月28日


 両小野中学校で26日、地域に伝わる民話を題材としたアニメ「善知鳥(うとう)峠」の完成上映会があった。一般社団法人「日本昔ばなし協会」と日本財団が推進する「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環として制作。アニメーション監督の沼田心之介さん(東京都)らが訪れてあいさつしたほか、生徒が作品の活用法を話し合って発表するなどした。
 作品は約5分間の短編で、猟師に幼鳥をさらわれた海鳥「ウトウ」が、京都を目指す猟師らを追いかける粗筋。親鳥は冬の峠で命を落とす悲しいストーリーだが、かわいらしい絵や作画の工夫で柔らかい雰囲気に仕上げた。
 同協会の代表理事も務める沼田さんは「海と山とのつながりを強く意識して制作した」といい、事前に訪れて記憶に残った峠の分水嶺公園(塩尻市)に着想を得たシーンも盛り込んだ。生徒に向けては「皆さんに知ってもらい、周囲の人にも伝えてほしい」と呼びかけた。
 生徒たちは、グループに分かれて作品の活用法を検討。地元酒蔵とのコラボや中学校のホームページを利用した広報、上映会の企画といったアイデアを発表した。3年の生徒たちは「身近な物語がアニメになってうれしい」、「峠の由来などを知ることができて良かった」と話した。
 プロジェクトは、全国各地の海にまつわる民話を選定してアニメ化、次世代に語り継ぐ狙いで2018年に始動した。昨年度までに42作品を制作し、本年度は25本をアニメ化。県内では3作目という。
 作品はプロジェクト公式ホームページのほか、動画共有サイト「ユーチューブ」で公開。自由に観賞できる。
(写真は、アニメ「善知鳥峠」を披露した上映会)