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海外ソムリエ県内酒蔵に—宮坂醸造などで日本酒の魅力アピール —
2024年1月27日
世界で活躍する海外トップソムリエが24〜26の3日間、県内の酒蔵を訪れた。日本酒造組合中央会が、毎年この時期に実施する「海外インフルエンサー清酒招聘(しょうへい)ツアー」の一環。最終日は清酒「真澄」蔵元の宮坂醸造(諏訪市)の富士見蔵(富士見町休戸)で見学や試飲を通じ、日本酒文化の魅力をアピールした。
今回は山梨県を含め、7泊8日のツアーとして実施。世界に日本酒を広める目的で各国の国際ソムリエ協会代表やコンテストなどで優勝、受賞歴のある5人を迎えて料理とのペアリングや酒の可能性を探ってもらう。
一行は宮坂醸造の海外営業担当で米国出身のキース・ノーラムさん(61)、香港出身のヒューゴ・チャンさん(30)の案内で酒蔵に入り、製造過程を見学。米を蒸す「蒸米」や「麹室(こうじむろ)」、酵母を育てる「酒母室(こうぼしつ)」、酒と酒粕(かす)を分離させる「上槽」などの施設を回った。
見学後は純米吟醸の「山田錦」とワインに近いアルコール度数の「白妙」、純米大吟醸の「夢殿」など4種類を試飲。同社の宮坂勝彦社長室長(38)から特徴などを聞き、ワイングラスに注がれた酒をスワリング(回す動作)しながら香りを確認したり、口に含んで、舌や口を動かして味わいを感じ取ったりした。
「BSW2023」(国際ソムリエ協会主催)のニュージーランド代表で、アジア&オーシャニア大会で準優勝したアンドレア・マルティニシさんは「『真澄』は料理に合わせやすい。試飲した全ての酒に物語を感じた」、上級ソムリエでBSW2023のリトアニア代表のマルティナス・プラビロニスさんは「全ての酒に味わいの一貫性があり、素晴らしい。造り手のスタイルが表れ、山田錦はフレッシュだった」などと感想を話した。
宮坂社長室長は「食事に寄り添う、一歩引いた味わいの酒を造る美学を評価していただき、勇気をもらえた」と笑みを浮かべ、「彼らが伝道者となって、情熱や思いを少しでも世界へ広めてくれたら」と期待した。
(写真は、4種類の日本酒を試飲する海外トップソムリエのマルティナスさんら)