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国道20号下諏訪岡谷バイパス 「山田トンネル」(仮称) 貫通 軟弱地盤で工期再延長
2023年11月3日
国道20号下諏訪岡谷バイパス第1工区の岡谷市長地鎮(中屋)と下諏訪町東山田を結ぶ延長485㍍の「山田トンネル」(仮称)が9月中旬、作業坑を介して貫通していたことが分かった。作業坑(高さ幅とも5・2㍍の断面)は工事のために先行して掘られ、幅約11㍍、高さ約8㍍の本坑は10月28日現在、全体の約9割、424㍍まで掘削が進んでいる。断層破砕帯を含む軟弱地盤の工事に挑んでおり、3月に今月末まで延長した工期を再延長して対応する。
10月29日に第二区バイパス対策委員会と町公民館第二区分館が開いた同トンネル掘削現場見学会で、国交省長野国道事務所岡谷維持修繕出張所の高桑信一所長と工事を請け負う大成建設同トンネル工事作業所の高橋聡尚所長が説明した。延長59㍍の作業坑を介して、国道142号バイパス「湖北トンネル」南側の岡谷側坑口と、福沢川東山田砂防ダム下流に位置する下諏訪側坑口は既に結ばれており、区民約30人が岡谷側から下諏訪側出口まで歩いて見学した。
掘削工事は2021年11月、岡谷市側から開始。高橋所長によると浅くもろい坑口部分のほか、掘削最上部から地表までの厚さが約4・5㍍しかない小土被(どかぶ)り区間や、断層破砕帯区間が続き、直径12㌢くらいの鋼管を幾つも打ち込み、崩れないよう補強しながら作業を進めている。
糸魚川—静岡構造線が通り、活断層群がある非常に特異な地域とし、高橋所長は「硬質な安山岩に自然の力で亀裂が生じ、風化変質して土砂化している。地質が非常に軟らかく、それに対応した最新の技術で掘削している。畑の中にトンネルを掘っているようなイメージ」と説明。今月から残り約60㍍の本坑掘削に取りかかり、全区間の完成を目指す。掘削は重機を使って1日約1㍍のペースで進め、高桑所長は「11月末までに全ての工事が終わるのは難しい。工期を(再)延長する」と述べた。
見学会を開いた同分館の山田昌宏分館長、山田貞幸企画室長は「苦労して掘っていることが分かった。この体験を周りの人や後世に伝えてほしい」とあいさつ。子どもと参加した男性は「完成が楽しみ。諏訪バイパスも二区の辺りはトンネルになると聞いているので、参考になった」と話していた。
下諏訪岡谷バイパスは下諏訪町東町(慈雲寺北側)の国道142号取り付け部から岡谷市今井までの延長5・4㌔。このうち142号側の第1工区(延長1・1㌔)で現在、工事を進めており、同トンネルのほか、砥川をまたぐ橋りょうなどを建設する。(写真は、最新技術で掘削している本坑の現場)