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資源確保へ 今季も自主規制—諏訪湖のワカサギ釣り—

2023年10月12日


 諏訪湖の本格的なワカサギ釣りシーズンを控え、資源確保を目的とした自主規制の内容が11日、関係者による会議で決まった。内容は3年連続同じで、諏訪湖釣舟組合と遊漁者(一般の釣り人)は12月1日(金)から来年5月末までを期間と定め、釣り時間は午前7時〜午後3時半。量の上限は求めない。従前と同様、諏訪湖漁業協同組合遊漁規則、行使規則に基づき禁漁区も指定する。
 行政、漁業、観光事業者などでつくる「諏訪湖のワカサギに係る連絡会議」として諏訪市の県諏訪合同庁舎で開き、諏訪湖漁協の提案を出席者が了承した。
 県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)の魚群探知機を用いた最新の調査(9月27日)によると、推定尾数は過去5年の10月の平均値の約4割にとどまる1450万尾。一方、平均体長は57.9㍉で過去5年の平均値の1.1倍、体重は1.2倍に当たる2.24㌘、肥満度も若干上回っている。春の放流卵数が約8000万粒と昨年の4億粒と比べ少なかったため資源量は少ないが、1尾当たりの餌の量が増えるので「成長は進んでいると予測される」という。
 漁協は既に9月から投網漁を週2回、1日1時間までとする自主抑制を続けている。資源量が少ないにもかかわらず、一般や釣舟組合に対しての規制内容を踏襲にしたことについて、諏訪湖漁協の藤森惠吉組合長は取材に「全体の漁獲量からすれば、遊漁が与える影響は大きくない」とし、「地域の観光振興も踏まえた」と説明した。
 釣舟組合によると、今季のワカサギはまだ水温が高いため数はまとまらないが、大きいため当たりは良く、脂の乗りもいい。中澤滋組合長は「昨年並みということで、営業している立場としてはありがたい」と感謝し、「水温が15度を切れば、数もまとまってくるので多くの方に楽しんでもらいたい」と期待していた。
 流入河川は全て禁漁。湖周の禁漁区には漁協が早期に赤旗を出して周知を図る。
(写真は、今季の自主規制の内容を決めた連絡会議)