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完結編上演迫る 兼光題材の創作劇「天翔ける蛍」

2023年10月12日


 辰野町にゆかりのある平安時代の武将樋口次郎兼光を題材にした住民参加型創作劇「天翔(あまか)ける蛍」の完結編となる第3章が21(土)、22(日)両日、川島の瑞光寺で上演される。信濃源氏の武将木曽(源)義仲に仕え、民のために戦った兼光の生き様や信念を伝える。本番が近づく中、良い演技で物語を締めくくろうと、出演者たちは熱の入った稽古を続けている。
 町民有志らでつくる「寺子屋シアタープロジェクト実行委員会」が企画し、これまで2021年に第1章、昨年に第2章を上演した。第3章は、「倶利伽羅(くりから)峠の戦い」(1183年)で平家の大軍を破って入京した場面から描き、京での出来事や義仲と兼光の最期などを伝える。
 出演者は町民約10人を含む30人余りで、半数以上が3年連続の参加となる。稽古は8月から本格化した。北大出ふれあいセンターを主な稽古場とし、3年連続で脚本・演出を担当するNPO法人劇空間夢幻工房(長野市)の演出・脚本家の青木由里さんから指導を受けている。
 青木さんは出演者の成長を感じており、過去2年と比べ「せりふを覚えるのが早くなって声も出るようになり、演技ができる体になった」。市民劇は本番直前に一気に完成度が高まるといい、「笑って泣いて、そして感動できる舞台にしてほしい」と期待を込める。
 実行委の垣内彰代表は「ようやく完結編までたどり着いた。辰野に兼光という武将がいたことを知り、歴史に関心を寄せてほしい」としている。
 21日に1回、22日に2回上演する。予約優先で、22日午後4時から上演する回はチケットに残りがある。チケットは前売り2千円、当日2500円、高校生以下千円。問い合わせは垣内代表(電090・2415・7405)へ。
(写真は、本番に向け、追い込み稽古に励む出演者たち)