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「まちなかタクシー」運行開始 高齢者などの交通利便性向上へ

2023年10月3日


 箕輪町は2日、自宅などから目的地まで利用できる町内定額タクシー「まちなかタクシー」の運行を開始した。高齢者や身体障害者などの交通の利便性向上が目的で、1回250円か500円で町内を移動できる。同日、役場駐車場で出発式があり、白鳥政徳町長は「新たな公共交通システムとして多くの人に利用してもらいたい」とアピールした。
 2021年度に実施したデマンド型タクシー実証実験での「乗り合いでなく個人で動きたい」などの意見が上がったことを踏まえ、目的地までドアツードアで移動できる同制度を導入した。
 登録制で、65歳以上の人と妊婦などの移動困難者は500円、免許返納者、障害者手帳所持者、免許保有したことがない75歳以上の人などは割引運賃の250円で利用できる。
 契約する伊那タクシー(本社・伊那市)は、まちなかタクシーの対応車両5台を準備。利用者は、平日の午前9時〜午後3時(盆や年末年始は休み)に専用番号に電話で配車を依頼する。乗車時に登録証を提示し、目的地に着いたら自己負担分を支払う仕組み。
 町によると、登録者の9割近くが割引対象の人。9月末時点で約520人から申請があり、デマンド型タクシーの登録者は約170人だったことも踏まえると、「町民のニーズに応えられているのではないか」と活用を期待する。
 伊那タクシーの藤澤洋二社長(58)は「町民の皆さんの移動に貢献できうれしい。安全、快適、スムーズな運行に努めていきたい」と話した。
 町は、来年3月までデータ分析など利用状況を検証し、来年度以降の運行に生かしていきたいとしている。
(写真は、まちなかタクシーで乗車システムを体験する白鳥町長=右)