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うなぎかば焼き宇宙食に認定 —岡谷の「観光荘」が開発—

2023年9月22日

230921観光壮うなぎ宇宙食認定
 岡谷市川岸東5のうなぎ料理店「観光荘」が開発した宇宙空間で食べられるかば焼き「スペースうなぎ」が、正式な「宇宙日本食」としてJAXAの認証を受けた。前段階で、一回限りの宇宙食「プレ宇宙食」としても認証を受けており、同社によると、こちらは既に38パック(1パック約50㌘)が国際宇宙ステーション(ISS)搭載のため宇宙へと旅立ったとみられる。
 プレ宇宙食の認証を受けたのは2022年12月。その後、23年6月に更に基準が厳しい宇宙日本食の認証を受けた。19年の構想段階からコロナ禍を経て、4年をかけて夢を実現したことに、宮澤健社長(46)は「開発設備の改修や準備期間の短さ、審査に必要な1300枚に上る資料の用意など、すごく大変だった」と振り返る。21年の「宇宙日本食意見交換会」で聞いた宇宙飛行士、古川聡さんの「宇宙食でうなぎのかば焼きが食べたい」の一言で本格的に始めたうなぎの宇宙食化を目指す「ウナギャラクシープロジェクト」は、ついにゴールにたどり着き、宮澤社長は「ISSで過酷なミッションを行う古川さんのモチベーションや元気のもとになれば」と喜び、「食べている映像がこちらに届いたらうれしい」と期待する。
 「スペースうなぎ」は、蚕のさなぎを餌に練り込んで養殖する自社開発の「シルクうなぎ」を100%使用し、宇宙食製造の基準をクリアし、衛生管理を徹底した岡谷本店地下の加工場で製造。秘伝のたれ(つぎ足しではなく新品)をくぐらせ、異物混入をふせぐために炭火ではなく遠赤外線で焼いたかば焼きは4切れにカットして真空パック。最後は宇宙食品メーカーの宝食品(香川県)でレトルト殺菌している。
 同社は、年末ころをめどに実際のスペースうなぎと同等の製品を一般にも販売する予定。宮澤社長は「今後はJAXAからの発注があれば対応していくことになる」とし、更に「宇宙空間から月や火星にもうなぎを届けてみたい」と目を輝かせ、同プロジェクトを更に進化、継続していく考えだ。
(写真は、宇宙日本食認定書と「スペースうなぎ」を手にする宮澤社長)