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休み延長求め実力行使—南箕輪で「盆正月」—

2023年8月18日

盆正月230817
 南箕輪村田畑で16日夜、住民が盆休みの延長を要求する伝統行事「盆正月」があった。江戸時代末期に農家の若者たちが始めたとされ、小学校PTAが中心となり、区長宅の玄関にバリケードを築いて封鎖。外へ出られないように実力行使した。
 作業には地域の親子ら約30人が参加。午後9時ごろ、地区の公民館で保管している長持やレクリエーション用の卓球台、のぼり旗、椅子などを運び出して、玄関先に積んだ。区長宅の農機具を勝手に移動させたり、地元住民が寄贈した門松を飾ったりもした。
 17日朝、勝手口から出た区長は「玄関から出ようとしたが、無理だった」と吐露。住民の要求に応じて休みを1日延長する趣旨で区役員に連絡を入れた。バリケードを写真に収める地域住民もいて、「ことしも派手にやったな」などと感心した様子だった。
 現在は地域行事の意味合いが強い分、穏健になったという。区長は「馬を連れ去って農作業をできないようにしたり、玄関先に車を横付けしてタイヤの空気を抜いたりということもあった。片付けるのは大変だが、まだかわいい方」と苦笑いを浮かべた。
 新型コロナの影響で2020年〜22年は地区の公民館で行い、区役員宅での盆正月は4年ぶり。PTA会長は「地域の文化を子どもたちに伝えることができた」、小学生の息子は「初めて参加したけれど、楽しかった」と振り返っていた。
(写真は、農機具などで封鎖された区長宅の玄関)