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大輪とランタン共演 岡谷花火まつり
2023年8月17日
第56回「岡谷花火まつり」が16日、湖畔公園多目的広場であった。環境面への配慮から、2019年をもって取りやめとなった本紙主催「一千灯とうろう流し」の演出面を継承し、昨年に再出発して2年目。夜空を焦がす大輪と、住民参加型で空に飛ばした200個のスカイランタンが共演する光景で「岡谷らしさ」を演出し、来場者は行く夏を惜しみながら見守った。
花火まつりは1968(昭和43)年、市と岡谷商工会議所、岡谷市民新聞社の3者が実行委員会をつくって始めた。再スタートとなった前回から警察・消防関係者、更に今回からは市観光協会も加わるなど体制を充実。打ち上げ場所は、従来の釜口水門近くから湖畔公園多目的広場沖(塚間川河口近く)に移した前回を踏襲した。
スカイランタンは前回、雨に降られてLEDを入れた風船を覆う和紙を外さざるを得なかった反省を踏まえ、ビニール製に変更。糸を結び付けて完全回収できる仕様は変わらず、環境面にも配慮した。
開始に当たり、今井竜五市長は「岡谷の夏のイベントを締めくくる花火まつりで、昨年に続いてスカイランタンとの共演を企画した。夏の思い出として記憶に残して」とあいさつ。今井市長と来場者のカウントダウンを合図に、宵闇を照らす音と光のショーが幕を開けた。
打ち上がったのは約2千発。公募参加者が持つスカイランタンと共に、幻想的な空間をつくり出した。来場者は写真に収めたり、じっと夜空を見上げたりと思い思いにひとときを過ごしていた。
岡谷市仏教会(会長・須藤翠巖久保寺住職)の「諏訪湖おくり火」が同日、同会場で営まれた。故人に思いを込めた灯籠が並ぶ中、送り火をたき、湖上に盆飾りを施した「精霊船」を浮かべて亡き家族や先祖を見送った。
戦後間もない1951(昭和26)年から続いた本紙主催事業「一千灯とうろう流し」を引き継ぎ、昨年から「岡谷おくり火法要」として同会が主催する盆行事。今回から名称を「諏訪湖おくり火」に変更した。
会場の多目的広場には、市内の児童生徒が絵を描き、各寺院で法号や俗名などを書いた灯籠をつるして故人をしのんだ。法要は太鼓とばちなどを打ち鳴らし、数発の花火を合図に始まり、市内各寺院の住職らが般若心経や観音経などを唱え、諏訪湖の沖に向かう精霊船と共に先祖の霊を見送った。「灯明・とうば供養」もあった。
法要後、参列者は順番に進んで焼香し、祭壇に向かって静かに手を合わせた。市内から参列した男性(70)は新盆を迎えた母親をしのび「亡くなって1年たつ。厳粛な雰囲気の中、改めて母のことを思い出しながら手を合わせた」と話していた。
(写真は、夜空で共演した打ち上げ花火とスカイランタン)