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お舟祭り 工夫凝らし下諏訪町で曳行
2023年8月2日
諏訪大社下社の夏の遷座祭「お舟祭り」本祭りは1日、下諏訪町内で開いた。御頭郷の富士見町落合・富士見、茅野市金沢地区が、2019年以来4年ぶりに柴舟を春宮から曳行。新型コロナウイルス感染症が終息していない現状を踏まえ、柴舟に乗る人数を制限し、2班に分けて曳行するなど例年にない工夫を凝らして秋宮に曳きつけた。
諏訪大社の祭神とされる翁(おきな)と媼(おうな)の人形を乗せた約5㌧の柴舟は、遷座行列に続き、予定より約30分遅れて午後2時半ごろ春宮を出発した。木やりの発声で勢いよく鳥居をくぐり、国道20号に向けて一気に直進した。
曳行する人の健康を第一に考え、柴舟に乗る人を通常の20人から12人に縮小した。曳き手は約600人として300人ずつの2班に分け、胴棒と元綱の氏子は下馬橋、春宮大門、魁町と国道の合流地点で交代。そのほかの氏子も途中で交代した。遷座行列も、稚児の参加は取りやめるなどして通常の約200人を半数程度にした。
時間厳守を志した氏子たちは、止まる回数を少なくして順調に曳行。春宮大門からは、難所の魁町に入る鋭角も止まらず通過した。四ツ角で全600人が合流し、付近で恒例の「お舟返し」は行わず一気に坂を上り、秋宮境内に引き込み。神楽殿を3周、お舟返しをして予定より約1時間早い午後5時半ごろに曳行を終えた。
富士見地区綱長の吉田誠さん(57)は「人数を減らしたことで、柴舟が動くか心配もあったが順調に進めた。この3年間、曳行できなかった人たちの分まで頑張って奉仕する気持ちで曳いた」と話した。
責任大総代の牛山一宏さん(63)=落合地区=は「図面を作って入念な打ち合わせを重ねたかいもあり、魁町でも止まらず順調に曳行できた。怠りなく準備した結果でうれしい。元気な曳行ができた」と話した。(写真は、勢いよく春宮を出発した柴舟)