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未来の御用材丁寧に 東俣国有林でモミの木植樹
2023年6月5日
御柱の森づくり協議会は4日、下諏訪町郊外の東俣国有林で、諏訪大社下社の御柱用材となるモミを植える「御柱の森づくり・樅(もみ)の木街道植樹祭」を行った。未来の用材候補木を育む活動を通じて、地域の文化である御柱祭が受け継がれていくように—と願いを込めて毎年実施している。
町内各区有志でつくる実働部隊の御柱用材を育む会を中心に県、町、町議会、南信森林管理署、諏訪大社大総代など同協議会の構成団体から約100人が参加。県道八島高原線から入った観音沢林道沿いの急な斜面に、高さ1メートルほどに成長しモミの幼木14本を手分けして植え、ニホンジカの食害を防止するネットで囲った。また、過去に植樹して成長した候補木のネットを、巻き直す作業にも取り組んだ。
式典で同協議会の奥村槙人会長は、「育む会の皆さんが、木の文化を支える森づくりに励んでくれていることに感謝する」とあいさつ。育む会の今井憲彦会長は、「御柱の森には、約990本の御柱用材になり得るモミの木が生育している。自然豊かな森を守り、後世に継承していくことが使命」と決意を新たにした。
1996年に発足した育む会を核に包括的な組織として同協議会を立ち上げ、2002年11月に同国有林(広さ1630メートル)の一部383ヘクタールを「御柱の森」と位置付けて、一帯の整備、モミの育成を目的に同管理署と協定を締結。5年5月には町制施行125周年記念事業で125本の苗木を植えるなど、これまでに約460本を植樹している。
会場では町木遣保存会の宮坂明宏会長が、「奥山に育て神の木 千年の杜(もり)に 守れ育め東俣を 皆さまよろしく頼むぞ」と記念植樹の時にだけ鳴く特別な木やりも披露。御柱の森に「よいさ」「よいさ」の歓声が響いた。(写真は、立派な用材になることを願い、モミを丁寧に植える参加者