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イオン2025年に新店舗開店へ 下諏訪町と連携協定
2023年6月3日
イオンリテール(本社・千葉県)は2日、旧「イオン諏訪店」の新店舗を2025年、下諏訪町南四王の跡地で開店する予定であると明らかにした。同社初の、商品をドローンで配送する拠点店舗になる計画。町役場で開いた会見で、同社北陸信越カンパニーの室井英男支社長は「店舗とお客さまをつなぐ、新たな配送チャンネルの創出、持続可能なまちの生活拠点となる次世代型店舗を造る」と話した。
同社はこの日、下諏訪町とまちづくりに関わる連携協定を結んだ。ドローン物流の社会実装について日本航空(本社・東京都)、KDDIスマートドローン(同)とも協定を締結。3者の取り組みを軸に、町でドローンを活用した住民サービスの提供や防災、子育て、高齢者支援などを推進する。
新店舗では、インターネットで買い物をして近隣店舗から商品を車で届ける「イオンネットスーパー」の配送で、ドローンを活用する計画。建物の屋上にドローンの離着陸場を設ける予定で、町内の約3キロ圏内で実証実験を行い、将来的には諏訪湖を横断して周辺市町村などへの配送も目指す。
ドローンの活用以外のテナントや取り扱い商品など、具体的な新店舗像は未定。室井支社長は「コミュニティーの場、地域の人が集う場をつくりたい。閉店後から構想は練っているが、地域に合った形がまだ提案できていない。少しずつ固まりつつあるので、然るべき時に発表したい」とした。
宮坂徹町長は「町民の大きな関心事で、多くの人が待ち望んでる新商業施設。最先端技術を活用する、夢あるビジョンを共有してもらった。町の内外に誇れる物になるように協力したい」と話した。
同店は町内唯一の総合スーパーだったが、建物の老朽化などを理由に2018年8月に閉店。当時から町は、子育て支援施設を新店舗内に設けることを目指しており、同社との協議を重ねてきている。
町などによると閉店後、度々新店舗の計画について同社から示されてきたが具体化に至らなかった。計画が示される度に、子育て支援施設を設けたい町の思いは反映され続けていたという。
宮坂町長は「子育て世帯をはじめ、地域住民のコミュニティースペースとしての機能などを検討している。高校生などからも居場所を求める声が出てきている。高齢者も含めて集える場所など、新店舗の情報をいただく中で検討したい」と話した。
(写真は新店舗に計画するドローン離着陸場のイメージ図=イオンリテール提供)