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新作の絵画キルト紹介 原田泰治美術館
2022年12月20日
諏訪市原田泰治美術館(諏訪市渋崎)は14日から、愛好者たちが丹精込めて原田作品を再現した新作キルト作品19点の紹介を始めた。3月の原田さんの死去で幻となった第16回「原田泰治の世界をキルトで遊ぶ 絵画キルト作品展」への出品を目指した作品で、制作に60カ月を費やしたものもある。来年4月18日(火)まで開き、2月24日(火)からは一部作品を入れ替え、寄せられた全28点を見てもらう。
出品者は、同館がこれまで回企画した「絵画キルト作品展」に挑戦を続けた常連がほとんど。これまで2回大賞を受けた埼玉県内の2人をはじめ、諏訪地域を中心に、遠方では沖縄県、福岡県、愛媛県の在住者26人。初めての人も1人いる。
最高齢の93歳の女性は、以前応募した際に落選したが、当時のコメントを受けて手を加え、より充実したものに仕上げた。「幼い頃から親しんだ原田作品の風景を作っているうちに、昔に戻れる」と針を動かした人など、それぞれの思いを込めた労作だ。
原田さんの死後、同館のホームページで終了を告知したところ、「16回目を目標に作ってきた」「今も作っている」などの反響が寄せられた。「皆さんの思いや努力に報いたい。来館者にも見てほしい」と同展の開催に踏み切った。
土田裕子館長は「それぞれの作品が細かい部分まで手が入っている。もう一つの原田さんの世界。熱心なファンがいるので、審査を行わなくても、冬期間は絵画キルトが見られるよう企画を続けていきたい」と話す。
(写真は、心がこもった絵画キルトが並ぶ会場)