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神前読経150年ぶりに 仏像一斉公開前に上社本宮で奉告祭
2022年10月1日
きょう1日から始まる諏訪神社(現・諏訪大社)神宮寺由来の仏像などの一斉公開を前に、上社本宮(諏訪市中洲神宮寺)で30日、奉告祭が営まれた。斎行に先立っては、約70人による「僧侶行列」が北参道を進み本宮境内へ。拝殿では明治維新に伴う「神仏判然令」以降、途絶えていた「神前読経」が行われ、約150年ぶりに神職と僧侶が神前で共に祈りをささげた。
神と仏を合わせて祭る「神仏習合」時代の信仰を感じてもらおうと、参加寺社、施設で11月27日(日)まで行う仏像などの一斉公開「諏訪神仏プロジェクト」(実行委員会主催)の一環。
行列はほら貝などの音が響く中、秋空に恵まれた北参道をゆっくりと進んだ。道中の商業施設近くでは「庭儀(ていぎ)」。更に「散華(さんげ)」しながら境内前に到着すると神職の出迎えを受け、拝殿へ向かった。
諏訪大社神職を祭主に、奉告祭。神前読経では僧侶たちが、諏訪大明神にささげる祈り「諏訪講之式(すわこうのしき)」をはじめ、大般若転読、観音経を奉納。祭主に続き、代表の僧侶が「二礼、二拍手、一礼」の作法で玉串をささげた。
実行委副会長で、諏訪講之式の復元に尽力した仏法紹隆寺(諏訪市四賀)の岩崎宥全住職(44)は奉告祭を終え、時折、目頭を押さえつつ「唱えている時は無心だった。終わった後は苦楽を共にした皆さんの力の結晶が実を結んだと感じ、胸に迫るものがあった」。原直正会長(75)=諏訪市中洲神宮寺=も「150年ぶりの光景が見られ感無量」と振り返り、「神宮寺の仏様と諏訪の神様も喜んでいらっしゃるのではないか」と青空を仰いだ。(写真は、本宮で行う奉告祭へ北参道を進む「僧侶行列」)