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諏訪大社御柱祭上社山出し 車両で運搬無事終着点へ
2022年4月3日
諏訪大社御柱祭の幕開けとなる上社山出しが2日行われ、本宮、前宮計8本の柱が無事、八ケ岳の麓から終着点の御柱屋敷(茅野市宮川安国寺)へ運ばれた。新型コロナウイルス感染症の影響で、氏子による曳行は取りやめ、史上初めて車両での運搬となった。
午前8時、スタート地点の綱置場(原村、茅野市境)で各柱一斉に綱渡り神事。先頭の本宮一、前宮一は紅白幕で飾ったトレーラーに積まれ9時44分に出発、本来の曳行路とは異なる八ケ岳エコーラインや国道152号を経由して17.4キロを走り、約1時間後に御柱屋敷に到着した。以降も2本ずつ順調に運搬され、午後2時15分には全ての柱がクレーンで下ろされた。
従来は曳行路沿いで行う子之神社神事は、尖石縄文交番(茅野市豊平)付近に場所を移して実施。川越しは中止されたが、川越し場近くにある宮川橋上で数分間停車し、消防ポンプでくみ上げた宮川の水を柱に掛け清めた。
道中では随所で住民らが出迎え、街中に入ると、多くの近隣住民や買い物客が通過する柱を見物。宮川橋や御柱屋敷の近くには到着を待ちかまえる人たちが集まり、「山出しご無事でおめでたい」「コロナの収束をお願いだー」などの高らかな木やりやラッパがとどろいた。
前宮一を担当する四賀・豊田地区の守屋文門大総代 (69)=諏訪市四賀赤沼=は「物足りない̶というのが正直な感想」としつつ、「みんなで協力し、工夫された中で氏子が楽しめたのは良かった」。前宮二を担当する湖南・中洲地区の仲井宏人大総代 (64)=諏訪市湖南田辺=は「一生懸命に協力し、立派な奉仕をしてもらった。いつも通りの山出しとはいかなかったが、里曳きの成功に向けてまた気持ちを一つにしたい」と話した。
(写真は、御柱屋敷に8本の柱がそろい、各柱を示す札が取り付けられた=代表撮影)