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岡谷市川岸で土砂崩落 8人滞在の住宅直撃 3人心肺停止
2021年8月15日
本州付近に停滞する前線の影響で、岡谷市は15日も引き続き雨となった。市災害対策本部によると午前5時半ころ、警戒をしていた市消防団から「土砂が家の中に入って人が取り残されている」と119番通報があり、消防が川岸東3の住宅の中にいた8人を救助したが、40歳代女性と10歳代男性、10歳未満の男児の3人が心肺停止の状態、40歳代男性と10歳代男性の2人が軽傷。残る3人にけがはないという(情報はいずれも15日午前11時時点)。
現場は県道下諏訪辰野線沿いで、JR川岸駅の向かい。近隣住民の話では土砂が流れ込んだ家は普段は空き家で、市対策本部によると辰野町に住む家族8人が滞在していた。裏山が崩れ、土砂が住宅を直撃したとみられる。
市によるといっ水や土砂崩れ、家屋への浸水など少なくとも120件の通報があり、市や消防が対応している。川岸東3の一般家屋への土砂流入を除き、人的被害は確認していない。
市は14日午後5時20分に市内14(今井、間下、岡谷、新屋敷、中屋、中村、横川、川岸5、湊2)区を対象に警戒レベル3に当たる「高齢者等避難」を発令し、3公民館と岡谷北部、南部、西部の3中学校の計6カ所に避難所を開設。15日午前6時には14区にレベル4「避難指示」を出し、各区の公会所など14カ所も避難所とした。15日午前11時時点で、9カ所に68世帯165人が避難している。
15日午前9時、天竜川の水位が下浜観測所で氾濫危険水位の5メートルに達したことを受け、市は同11時40分に下浜区(884世帯2056人)にも避難指示を発令。区民センターが天竜川に近いため、小尾口区公民館に避難所を開設した。
道路関係では下辰線が「鶴峰公園南」交差点付近で水路があふれ、岡谷西部中学校付近まで通行止め。川岸駅から辰野側も通行止めになっている。県道岡谷茅野線も一部で冠水しているが、通行はできる。
災害対応のため、入浴施設のロマネットと諏訪湖ハイツを除く全公共施設を臨時休館とした。
(写真は、土砂が直撃した川岸東3の住宅=午前10時35分ころ)