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「枝垂れ桑」街中に子孫を 接ぎ木した苗木あす販売
2021年7月16日
岡谷蚕糸博物館と併設の宮坂製糸所が、敷地内の芝生広場にある「枝垂れ桑」を市内に広めようと、この木から切った枝を接ぎ木した岡谷由来の苗木が出来上がった。17日(土)に広場で開く「オープンエアマーケット」で同社が初めて販売し、シンボルにもなっている木の子孫を増やす取り組みを一歩前進させる。
同館によると、敷地内の枝垂れ桑は樹齢約40年。1995年ころ、当時の蚕糸・昆虫農業技術研究所松本支所(松本市)から現在の蚕糸博物館の場所にあった同研究所製糸技術チームの敷地に2本移植された。蚕糸博物館の移転新築に伴い、1本はそのまま残し、もう1本は建物裏手に植え替えた。
2月に同館職員が剪定(せんてい)。接ぎ木は宮坂製糸所の高橋耕一社長 (55) の知り合いという、茨城県つくばみらい市の職人に依頼した。一緒に接ぎ木してもらっていた吉田館(銀座1)敷地内の「雲竜桑」の苗木と合わせて同社が14日に20本ずつ仕入れた。
このほか、白い実を付ける「白実桑」と赤黒い実を付ける「大実桑」も同時に買い付け、いずれも3300円(いずれも税込み)で販売する。?橋社長は「シルクに関心を持つ機会にもなれば」と期待するとともに、「桑は蚕の餌になるだけでなく、家庭でも楽しめる観賞用や実を取ってジャムなどにもできる。いろいろな楽しみ方で親しんでもらえたら」と話す。
オープンエアマーケットは、午前9時~同11時。入場無料。
(写真は、枝垂れ桑の苗木を紹介する高橋社長=蚕糸博物館敷地で)