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ヨルダン駐日大使が下諏訪宿本陣視察
2021年6月25日
新型コロナウイルス感染症収束後に中山道へ観光客を誘客しようと、ヨルダンのリーナ・アンナーブ駐日大使が24日、下諏訪宿本陣を視察した。28代目当主の岩波太佐衛門尚宏さんらと会談し、リーナ大使は「美しさ、伝統、岩波さんの努力で(本陣を)200年保存しているということに感動を覚えた」と話した。
リーナ大使は就任前、観光大臣としてヨルダン国内を縦断する全長650キロのトレッキングコース「ヨルダン・トレイル」を整備し観光資源として世界に発信。その経験を基に中山道を生かした観光に興味を持ち、東京都の旅行会社「アルパインツアーサービス」が仲介しツアー視察を企画したという。
本陣には、昼食を兼ねて訪れた。諏訪大社下社秋宮前の料理茶屋「二十四節氣(せっき)神楽」がコイの洗いや信州サーモンの刺し身など、県内産の食材で作った松花堂弁当を提供。名園とされる本格的な築庭式庭園を眺めながら味わってもらった。
岩波さんから江戸時代に当時の当主が着ていたとされるかみしもの説明も受け、リーナ大使は「中山道の物語を知り、感慨深い」とし、「ヨルダン・トレイルと中山道で、国と国が交流できると思う。中山道を歩けば、地域のことが分かる。中山道は(海外観光客との)交流に使える」とした。
視察は20〜24日、馬籠や妻籠の中山道宿場などを訪れる行程で実施し、下諏訪宿本陣は最終地点だった。同社の芹澤健一代表取締役社長は「中山道を歩いてもらい、長野の自然と文化を紹介できるようにこれからも取り組んでいきたい」と話した。
(写真は、当主の岩波さんからかみしもの説明を受けるリーナ大使㊧)