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「お蚕さま」を守ろう 蚕糸博物館で養蚕道具を消毒
2021年5月25日
岡谷蚕糸博物館は24日、館内で使用している養蚕道具の消毒作業を行った。養蚕に用いる道具を石灰上澄み液に漬けてから天日干しし、除菌洗浄剤を散布するなど、昔ながらの手法で「お蚕さま」を守る作業に汗を流した。
蚕は細菌やウイルスに弱く、消石灰を利用した消毒が古くから行われている。蚕糸博物館は来館者の見学や小中学校の蚕学習で訪れる館内の「カイコふれあいルーム」で蚕を飼育。そこで使用する「蔟(まぶし)」や「蚕箔(さんぱく)」「蚕網」「蚕架」などの道具一式は春、秋の年2回ペースで消毒しているという。
消毒液はウイルスなどに効果がある石灰上澄み液と、細菌に効く次亜塩素酸を含んだ除菌洗浄剤を使用。飼育室の中にある道具を一式全て屋外に出し、水と石灰を入れた石灰上澄み液で満たしたコンテナ箱に30分程度漬け、取り出した後は天日干しし、除菌洗浄剤を噴霧器で散布。この工程を2回繰り返した。
高林千幸館長は「子ども、大人に限らず、来館者にお蚕さまを育てている姿などの養蚕業を見ていただきたい。ことしはコロナ禍で大変な時期だが、密にならない程度で見てもらえれば」と話した。春蚕は27日(木)にふ化する予定で、館内でも飼育するほか、6月には希望する学校に配布する。
(写真は、蚕具を天日干しする高林館長と同館学芸員)