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8本の御用材 大地へ 下社伐採 最少人数で粛々と
2021年5月11日
2022(令和4)年の諏訪大社御柱祭へ下社御用材の伐採が10日、下諏訪町の東俣国有林で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止で参加人数を制限。諏訪大社神職や大総代、慣例で伐採に奉仕する同町全10カ区の氏子約300人が山に入り、春宮、秋宮計8本を奥山に寝かせた。伐採後に秋宮で報告会があり、諏訪大社大総代で下社三地区連絡会議の北村卓也会長は「木やりも一切なし。歴史上まれに見る伐採となったが、大祭へ1歩、2歩と前進した」と振り返った。
県が独自に設ける新型コロナの感染警戒レベルが、諏訪圏域で6日に「5」から「4」へ引き下げられ、奉仕する下諏訪町では感染者が少数しか出ていない状況を受けて「このタイミングでなら」と判断。入山者には2週間の健康チェックに協力を求め、許可証の発行を受けていない人の入山は認めないなど感染対策には万全を期した。
午前6時すぎ、萩倉の斧立社(よきたてしゃ)で同町の大総代や区長、各柱の伐採責任者らが安全祈願。その後、慣例で春宮一の御用材を最初に神事を執り行い、8時前後から作業に入った。
少人数で時間をかけずに行うため、これまで人力で行ってきた作業の一部にチェーンソーを使用しつつ粛々と伐倒した。巨木が倒れても、拍手にとどめる氏子が多かったという。8本のうち、3本は皮むきなどの作業が終わらず、後日行う。
下社の8本のうち、最も大きな秋宮一で目通り周囲は3.62 メートル。通例ではことし中の搬出になるが、現段階では入札時期なども確定しておらず、いつ誰がやるかなど「白紙の状態」という。
北村会長は「氏子の協力を得ることができた。伐採で用材は確保できた。今後はいかにして、祭りを実行していくかという宿題が課せられている」と気を引き締めた。
(写真は、報告会で伐採を振り返る春宮一の伐採長)