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洗浄機に自社ブランド 平出精密 県の支援受け
2021年3月15日
精密板金加工、洗浄機開発・販売などの平出精密(本社・岡谷市今井)は、自社ブランド部品洗浄機「VORTENRYU(ボルテンリュウ)」を開発した。これまでは顧客ごとの要望に沿った受注生産だったが、県の支援で標準機を製造して業務効率化を図り、デザインを一新して自社ブランドとして展開。水を使った同社特許技術による独自の洗浄方法はそのままに、環境や人に優しく、持続可能な社会を目指す時代の要請にも対応した。
ブランド名は螺旋(らせん)を意味する「Vortex」と、地元岡谷市を源とする天竜川や「転流」をローマ字表記した「Tenryu」から着想した造語。三つの洗浄を同時に行う特許技術の「トリプルウォッシュ」などによる確かな洗浄力やスピード、洗浄の自動化、コンパクトな設計で手軽に移送できるなど操作者に優しい仕様が特徴という。
同社や支援した県の地域資源製品開発支援センターによると、もともと溶剤不要の水洗いや特許技術などで納入先からの評価は高かったが、オーダーメードのため設計・製造に時間がかかり売り上げが伸びない課題があった。2019年度に県中小企業振興センターの「ステップアップ支援事業」に採択され、標準機の製造や商標、パンフレット、ウェブサイトなど販促物制作で支援を受けてきた。
ブランド名のほか、テーマカラーも県花のリンドウをイメージするなど地域色を取り入れた。製造する同社神明工場(岡谷市神明町4)で発表会を行った平出正彦社長は「一から設計しなくても、標準機をベースにすることで販売しやすくなる。今後はマーケティングや販売に力を入れたい」と話した。
(写真は、自社ブランド洗浄機の実演)