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「バジとあかいボール」発刊 日本童画大賞絵本部門の受賞作品
2021年2月21日
第10回「武井武雄記念 日本童画大賞」(岡谷市、イルフ童画館主催)絵本部門の大賞作品「バジとあかいボール」がフレーベル館(東京都)から出版された。同社が共催し、大賞作品は世に出ることが約束されている中で行うようになってから2冊目。同館では「編集者の目が入ったことで、受賞時よりも子どもに身近で童画大賞にふさわしい一冊になった。ぜひ手に取ってほしい」とする。
作品は、主人公のバジが時間を進めてくれる赤いボールを見つけ、苦手な歌のテストでボールを使うかどうか迷いながら自分の弱さと向き合う姿などを描く。受賞時は「しらとりぷい」のペンネームだった松丘コウさんが、昨年1月の審査で全 96 点から選ばれた。
同館によると受賞後、松丘さんはフレーベル館の編集者と打ち合わせを重ね、作品の世界観はそのままにほぼ全ての絵を描き直した。話の内容自体は変えず、子どもに分かりやすいよう文章もより洗練されたものにしたという。
絵本部門の一次審査で審査員を務めた、同館学芸員の河西見佳さんは「編集者の目が入ったことで主人公の感情の起伏が分かりやすくなり、子ども一人で読んでも感情移入できる素晴らしい作品になった」と話し、「苦手なものや嫌なことから逃げようと何度も葛藤を繰り返し、最後には乗り越える姿は大人が読んでも身につまされ、感動できる」とPRする。
縦27×横21の全32ページで、定価1300円(税別)。問い合わせは同館(電0266・24・3319)へ。
( 写真は、出版された「バジとあかいボール」)