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街中に「枝垂れ桑」を 苗木配布目指して枝切り
2021年2月5日
岡谷蚕糸博物館と併設の宮坂製糸所は新たに、敷地内の芝生広場正面に植わる同館のシンボル木「枝垂れ桑」の苗木配布に取り組む。剪定(せんてい)した枝を、宮坂製糸所の知り合いという茨城県の業者に依頼して接ぎ木。苗木にして年内には有料で配布を始め、枝垂れ桑を街中に広めていきたい考えだ。
同館によると、敷地内の枝垂れ桑は樹齢約40年。1995年ころ、当時の蚕糸・昆虫農業技術研究所松本支所(松本市)から現在の蚕糸博物館の場所にあった同研究所製糸技術チームの敷地に2本移植された。蚕糸博物館の移転新築に伴い、1本はそのまま残し、もう1本は建物裏手に植え替えた。
同館と蚕糸懇話会は毎年4月29日、「シルクフェアinおかや」の中で「一家に1本桑の木運動」として「一ノ瀬」の苗木100本を無償配布。今回の取り組みもその一環で、「シンボル木の分身を多くの家庭に植え、親しんでもらいたい」との思いで計画した。
4日には職員が剪定作業。今後、枝垂れ桑に加えて旧製糸会社の吉田館敷地内にある「雲竜桑」の枝50本ずつを業者に届ける。枝垂れ桑は園芸品種としても人気があるといい、同社の高橋耕一社長は「桑にも観賞用や実を取ってジャムできるものなど、いろいろな楽しみ方があるということを広めたい」と話し、蚕糸博物館の高林千幸館長は「桑を増やし、子どもたちが蚕学習を進めていく上での一助にしていきたい」と話していた。
(写真は、接ぎ木に向けてこの一年で伸びた枝を切る職員)