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慎重な登山呼び掛け〜八ケ岳相談所を開設〜

2020年7月24日

200723遭対協指導
 茅野署と諏訪地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)は23日、八ケ岳登山相談所を美濃戸(玉川)と奥蓼科(豊平)の各登山口に開設した。今季は新型コロナウイルス感染症の影響を受け営業していない山小屋もあることから、登山者に無理のない登山を呼び掛けた。
 各シーズンの入山ピークに合わせて開設。感染症の影響で春は見合わせたが、今夏は危険度の高い山を避け登りやすい八ケ岳に多くの登山者が訪れることを予測し、例年より相談所と山岳パトロールの日を増やして計画した。連休初日の美濃戸口では署員と遭対協相談員の6人が対応し、装備確認、ルート案内、計画書の提出を呼び掛けた。
 雨とあって登山者もまばら。関係者は夏山の注意点を伝えながら▽体調に不安がある場合は絶対に入山しない▽感染予防グッズ携行—など、感染症防止のための県の「登山者への五つのお願い」も呼び掛けた。相談員で登山歴約70年の清水澄さん(84)=原村=は「コロナがこんなに山に影響を及ぼすとは思わず。例年と違い営業していない山小屋もある。救助もコロナ対策ですぐに向かえないため、十分な注意を」と話した。
 滋賀県から仲間5人と赤岳を目指し、1泊2日テント泊予定で訪れた中井隆さん(63)は「コロナの影響で登れる山が限られ、初めての八ケ岳に決めた。山は自然が魅力だし楽しみ」と笑顔で話していた。
 同署によると、八ケ岳のことしの遭難件数は23日現在4件、死者4人。4月には阿弥陀岳で滑落、救助された東京都の男性が一時、感染疑いがあるとPCR検査を受け、陰性と判明するまで救助に携わった県警隊員らが濃厚接触者として自宅で経過観察となった事案も起きた。これ以降の遭難事故は起きていないという。
(写真は、登山者に県の「登山者への五つのお願い」を呼び掛けた=美濃戸口で)