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原田泰治さんの画業振り返る 傘寿記念で特別企画展
2020年7月4日
傘寿(80歳)を迎えた画家の原田泰治さんの画業を振り返る特別企画展「画家・原田泰治 心の絵の足跡」が、諏訪市渋崎の市原田泰治美術館で始まった。画家を志す以前や、現在の作風の原点となった作品を含む70点を集め、コロナ禍にある今もなお、見る者の心を癒やし続ける、素朴画家の魅力を紹介する。12月6日(日)まで。
傘寿を記念して、2010年以降の10年間の活動を追加した新装版「別冊太陽 原田泰治」が、平凡社から5月に刊行されたのに合わせ、特別企画展を開いた。原田さんの知名度を全国的に高めた朝日新聞日曜版連載作品や海外での作品、1988年から原点回帰で信濃を描く作品などが並ぶ。
これまであまり公開されなかった20歳代の作品は、9歳の時の自画像、諏訪市内の小川やガソリンスタンドの風景。幼少期を過ごした伊賀良村(現飯田市)の思い出を描いた絵はがきサイズの「うしろのしょうめんだーれ」(1968年)は、目鼻を描かない作品の原点。「当初は思い出を描いたが、その後は現地で取材して描き続けてきたことで、海外に行っても自分らしい絵が描け、自信につながった」とも話す。
原田さんは「80歳になっても現役でいられるのは絵のおかげ。一枚一枚が人生そのもの。石垣を積み上げるように描いてきた」と思いを話す。今後は「これまで多くの場所を取材し、資料も多く残っている。まだまだ掘り起こしたい場所はある」と意欲は衰えない。
月曜休館。問い合わせは同館(電54・1881)へ。
(写真は原田泰治さんの傘寿を記念して始まった特別企画展「画家・原田泰治 心の絵の足跡」)