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繭増産へ新蚕室完成 三沢区民農園
2020年6月6日
養蚕に取り組む三沢区民農園が、繭の増産へ区内で建設を進めていた新たな蚕室が完成した。広さは、広畑遺跡近くに構えた以前の蚕室の約3倍になる125平方㍍。4日からは、春蚕(はるご)6万頭の飼育を始めた。担当する片倉仁さん(59)=川岸上=は「ここまでこられて良かった。いい繭ができると思う」と話す。
区民農園は2014年から養蚕を始め、大日本蚕糸会の研修を受けた片倉さんが主になって取り組む。昨年は夏蚕と秋蚕の飼育を見送り、8月ごろから建設に着手。片倉さんが本業の大工の腕を生かし、仲間の協力を得ながら木造平屋を2月に完成させた。
室内には、箕輪町の養蚕農家から譲り受けた「蚕座(さんざ)」18マスを設置。繭を作らせるための「蔟(まぶし)」の木枠も70個用意した。5月22日には消毒し、春蚕の飼育が始まる前にもう一度行った。並行して、桑を蓄える「貯桑庫」を敷地内に建設する予定だ。
市内の畑を新たに借り、増産に不可欠な桑園の拡大にも着手した。既に土を起こし、来年には苗木を植える予定。現在は広畑遺跡近くの3854平方㍍と箕輪町の養蚕農家が利用しなくなった桑園の一部を利用するが、将来的には多くを市内で賄えるようにする。
ことしも、東京農工大学の実践農場で養蚕に携わった地域おこし協力隊員の橋口とも子さんと共に取り組んでいく。片倉さんは「飼育は毎年のことだが、量は増える。やってみなければ分からないが、昨年の春と同じくらい良い繭を作りたい」と意気込んでいる。
(写真は完成した蚕室。蚕具が運び込まれ春蚕の飼育も始まった)