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茅野市特産の寒天 暖冬で製造に遅れも

2020年1月18日

0117寒天最盛期
 茅野市特産の寒天製造が最盛期を迎え、宮川地区を中心に寒天の天日干し風景が広がる。一方、ことしは暖冬の影響で思うように寒天が凍らず完成までに時間がかかっている。諏訪地方の厳しい冷え込みと晴天率を利用した天然角寒天づくり。茅野市は全国一の生産量を誇るが、例年のように出荷できない工場もあり関係者は今後の冷え込みを期待する。
 角寒天は、原料となるテングサなどの海藻を煮溶かしてろ過し、ゼリー状に固めた「生天」を長方形に切断、わらを敷いた干し場に並べ、昼夜屋外にさらして凍結と乾燥を繰り返しながら2週間ほどかけて作る。
 五味喜一商店(宮川茅野)では、12月5日朝から天出しを始めた。寒天製造28季目という五味昌彦さん(61)によると、毎年朝は氷点下5〜7度の中で作業しているが、ことしは氷点下1〜3度の日が多いという。「生天は例年3、4日間で凍るが、ことしは5日〜1週間かかっている。生の状態のものばかりがたまって、12月中旬には3日間ストップしたこともあった。最近は雪と雨で積み広げが大変」と苦労を話す。今季は例年より多い17、18人ほどで作業分担しているという。
 例年2月中旬まで約70日ほど稼働し、1日に約1万5千本、シーズンで約100万本を全国へ出荷している。「自然現象に苦労しているが、品質維持へ原料からこだわっている。最近は放射冷却も来ているが、もう一息欲しい。これからの寒さに期待したい」とやきもきしている。
(写真は、干し場にずらりと並ぶ角寒天=五味喜一商店)