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20カ国の専門家ら情報交換 食用キノコの国際学会始まる
2019年10月22日
マツタケ、トリュフなど木の根と共生関係にある食用キノコがテーマの国際学会「食用菌根性(きんこんせい)きのこに関する国際ワークショップ」が21日、諏訪市を主会場に始まった。国内では初開催。世界20カ国の専門家など約70人が集い、意見発表や情報交換、市内のマツタケ山の現地視察などを通じて研究を深める。25日(金)まで。
学会は1998年にスウェーデンで始まり、ニュージランド、カナダ、スペインなどで開催されている。10回目となる今回は、森林研究・整備機構の森林総合研究所(茨城県つくば市)や県、信州大学などでつくる実行委員会が主催。国内で最も有名な菌根性キノコであるマツタケの生産量が多い長野県を開催地とし、主な産地である諏訪市を主会場にした。
学会は専門的な内容だが、前日の20日には一般を対象に「茸(きのこ)と私たちの暮らし」と題した公開イベントを市文化センターで開いた。
野生キノコに関する講演では、諏訪まつたけ生産振興会の金井隆さんが、中洲下金子のマツタケ山で取り組んだ10年間の環境整備について説明。地表に日光が当たる率を50%ほどにするために木々の伐採や獣害対策などを進め、「マツタケの発生率が大きく向上した」と報告した。
このほか、ニュージランドのアレクシー・ゲレンラゲット博士の講演や、きのこ汁の試食会、海外の映像作家による世界のキノコを扱ったドキュメンタリー映画の上映も行われた。
学会は、23日(水)まで市内が会場で、24日(木)以降は県内のほかの地域に移動して開く。
(写真は、学会に先立って開催された一般向け公開イベント)