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60年前の姿スクリーンに 諏訪二葉高映画部の作品公開
2019年9月23日
第22回「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」で22日、諏訪二葉高校の映画部が1957年に文化祭で上映した自主映画「夏休みの歌」が公開された。およそ60年前の女子校時代、8ミリフィルムで撮影した青春が新星劇場のスクリーンによみがえり、卒業生ら約120人が懐かしさに胸を震わせた。
日本映画華やかな昭和30年代、鑑賞するだけの活動に物足りなさを感じた当時の部員たちが、初の自主映画制作に取り組んだ。映画館のチケット販売などで高価なフィルム代を捻出し、三協精機製作所(現・日本電産サンキョー)から8ミリカメラを借りて撮影に挑戦。後に岩波映画で活躍する片野満ら諏訪清陵高校出身の大学生スタッフ4人の協力を得て、シナリオ作成、演出、演技など、女生徒を中心に手掛けた。
2005年には、保管されていたフィルムをDVD化して同窓会総会で上映。07年の学校創立100周年では、記念DVD「魂の永久のふるさと」第6章に収録した。
小津監督の「東京暮色」や「彼岸花」と同時期の作品。校舎前の坂道、諏訪湖畔や霧ケ峰などの風景が次々とスクリーンに映し出され、父親役や母親役で出演した当時の教諭のシーンでは「先生、若いわねえ」と懐かしがる卒業生もいた。
原作を担当した当時の部長(80)=茅野市金沢=は「勉強なんかそっちのけで、諏訪じゅうの映画館のチケットを売って予算にしたり、徹夜でフィルムを切ったり貼ったり」と当時を振り返り、「恥ずかしさ半分、懐かしさ半分で、うれしいです」と話していた。(写真は顔をそろえた出演者や当時の部員たち)