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岡谷市でコブシの花占い「中の上」

2019年4月12日

190411辛夷の花占い中の上
 岡谷市西堀区の住民有志でつくる西堀名木保存会は11日、一年の世相を見定める「辛夷(こぶし)の花占い」をコブシの木が立つ横河川右岸で行った。開花のペースは平年並みといい、まだ咲き始め。会員ら約20人が花の開いた方向や咲き具合などを見て話し合い、ことしは昨年と同じ「中の上」の託宣とした。
 幹が二股に分かれていたことから、地元では「夫婦辛夷」とも呼ばれ、県道下諏訪辰野線の横河川橋から堤防沿いの60メートルほど下流に樹齢300年余とされる大木があった。2000年に枯死したため、01年に現在の2代目を小井川小学校児童と共に植えた。
 保存会によると今季は8日ごろから咲き始めたといい、占いを前に参列者はコブシの前で一礼。護岸から下りて木を見上げ、「中の上でいいんじゃねえか」などと言い合い、満場一致で「中の上」とした。
 週末には満開になる見込み。代表世話人の男性(87)は「花は多くなかったが、これだけ上を向いて咲いていれば十分。5月からは元号が『令和』になるが経済が良く、平和な世の中になってくれたら」と願っていた。
 
 ▼辛夷(こぶし)の花占い 桜より早く咲くコブシの木の下で、酒を酌み交わして歓談したのが草分けとされる。「花が上向きなら豊作、下向きなら凶作、横に咲けば風が吹く」などといわれ、農家が多かった昔は世相と共に作柄も占った。これまでに残る最も古い記録は1963年とされていたが、61年の日付が入った酒屋の納品書が2017年に公表された。
 
(写真はコブシの木を見上げて世相を占う会員ら)