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日本遺産PRフェスにぎわう

2019年3月22日

縄文甲信フェスティバル
 長野県と山梨県の八ケ岳周辺14市町村にわたり認定された日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」をPRするイベント「甲信縄文フェスティバル」が21日、茅野市民館であった。講演会やコンサートのほか、関係市町村から縄文に関する体験などが集結。多くの人が訪れ、中部高地に発展した縄文文化の魅力に触れた。
 県や関係市町村などでつくる「甲信縄文文化発信・活性化協議会」が主催。文化庁の「日本遺産魅力発信推進事業」を活用し、学習旅行事業のモデルツアーや、PR動画、ガイドブック、案内看板、ロゴマーク作成などに取り組む。初開催のフェスティバルは国宝2点を有し市を挙げて「縄文プロジェクト」を展開する茅野市を選んだ。
 開会式では主催者代表で同協議会の轟寛逸会長(県教育委員会教育次長)が「縄文は過去のものではない。『縄文モダン』をコンセプトに取り組んでいる。新しい縄文の楽しみ方を感じて。資源を観光、地域づくりに生かしてほしい」とあいさつ。柳平千代一茅野市長も「茅野市では縄文プロジェクトを展開してきたが、市だけでは発信力がないと思っていた。横の連携を意識し、発信できる環境が整った」と今後の展開に期待した。
 講演会では、歴史研究家・歴史作家の河合敦さんが「縄文文化を中心とした日本の古代史について」、シンポジウムでは、河合さんと美術史家の山下裕二さんらが「中部高地エリアの縄文世界から見える、縄文文化の魅力」をテーマにディスカッション。コンサートでは、チェリストの斎藤孝太郎さんが、土器の文様を音符に置き換えて生み出した楽曲などを披露した。
 関係市町村も特色を生かして黒曜石の彫刻、土器パズル、拓本などの体験を用意。多くの親子連れが挑戦して縄文時代に思いをはせていた。(写真は土器の復元に挑戦する子どもたち)