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「世の中」は三分五厘 諏訪大社下社春宮で筒粥神事
2019年1月16日
諏訪大社の筒粥(つつがゆ)神事が、14日夜から15日朝にかけて下諏訪町の下社春宮であり、ことしの農作物の豊凶と世相を占った。「世の中」は五分満点で三分五厘の神託。昨年と同じだった。
「諏訪の七不思議」の一つに数えられる伝統の特殊神事。43種の農作物名と「世の中」を記したヨシの茎計44本を束ねた「御束」を、白米と小豆、水が入った釜で一晩中炊き上げ、茎の中に入った粥の量などで農作物の出来と世相を占う。
14日夜、北島和孝宮司ら神職が広さ1坪(約3・3平方㍍)ほどの筒粥殿に入り、木の棒を両手でもむ「切り火」で火を起こして釜をかけ、時折かき混ぜながら大祓詞(おおはらいし)を繰り返し唱えた。
氷点下5度で、冷え込みが緩んだ15日は、町内大総代らが参列して午前5時ごろから神事を執り行い、神職が幣拝殿でヨシの茎を1本ずつ割り、粥の状態を見て、農作物の作況と世相の神託を発表した。
農作物は「上」が14(昨年20)「中」が24(同15)「下」が5(同8)。上と下が減って中が増えた。「上の上」は大麦、カリン、秋大根、ニンジンの四つで、昨年より2種減。ことしも「下の下」はなかった。
原弘昌権宮司は「例年になくばらつきが多く、世の中は三分五厘だったが、昨年よりは少し落ち、要注意の年ではないかと思う。亥(い)年は、関東大震災や阪神淡路大震災などがあった年。災害に備えれば、いい実りが頂ける」と感想を述べた。
神託が書かれた目録は参拝者に配布され、大切そうに持ち帰る姿が見られた。参列した第一区の中村光良大総代(74)は「新元号に変わることしが、氏子の皆さんにとっていい年になればうれしい」と話していた。
(写真は、筒粥殿で大祓詞を唱えながら釜を囲む神職)