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釜口水門「舟通し」を探検 「あってもいいな夢工場」体験乗船
2018年10月27日
釜口水門「舟通し」を探検
「あってもいいな夢工場」体験乗船
子どもたちへ感動を伝えたい
諏訪湖の環境美化活動などに取り組む、企業OBのグループ「あってもいいな夢工場」(花岡潤代表)は26日、地元関係者を招き、釜口水門の「舟通し」を舟で通過する体験を行った。今後、子どもたちに体験してもらい、諏訪湖を身近に感じられる催しにつなげたい考えだ。
舟通しは、水位に4メートルほどの差がある諏訪湖と天竜川を舟で行き来できるように、釜口水門脇に設けられた幅4メートル、長さ17・5メートルの水路。スエズ運河の方式と同じように、水路内に舟を入れて両側のゲートを閉め、水位を下げて舟を通過させる。昔は多くの漁業利用があったが最近は年1、2回ほどという。
同グループは2016年4月に、子どもたちが遊べる諏訪湖を目指して、「湖の驛(うみのえき)」プロジェクトを立ち上げ、岡谷市湊の人工なぎさで清掃活動を続けている。
この日は、泥舟に4人を乗せ、舟通しを40分程かけて往復した。乗船した発案者の花岡代表(70)は「60年ぶりの体験。あの時の感動が忘れられない。安定した舟が必要だが、数年のうちには、子どもたちに体験してもらえるようにしたい」。地元花岡区副区長の浜幹夫さん(65)は「舟通しは貴重な財産。地元としても協力していきたい」。諏訪湖漁業協同組合理事も務める会社社長の濵國夫さん(80)は「天竜川の水深が浅いので、川での運行が課題。良いことなので協力したい」と話した。
同グループは、観光への活用も視野に入れ、人工なぎさ付近に船を浮かべ喫茶店として運営する「水辺カフェ」も構想。かつて水門近くにあった弁天島や、治水の恩人伊藤五六郎、葛飾北斎の「富嶽三十六景」に諏訪湖が描かれたことなどを漫画風の紙芝居にして広めたいとの考えも持っている。
写真=天竜川(奥)から釜口水門の「舟通し」に入り、諏訪湖と同じ水位に上がるのを待つ舟