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小口太郎生誕120周年 顕彰碑建立30周年記念の集い
2018年10月8日
小口太郎生誕120周年
鎮魂の調べ秋空に響かせ
顕彰碑建立30周年記念の集い
小口太郎生誕120周年と太郎の出生地、岡谷市湊にある顕彰碑等建立30周年記念の集いが7日、同碑周辺などで行われた。地元やゆかりのある滋賀、新潟、母校の京都大学などから関係者約80人のほか、市民らが出席。節目の年に功績を次代に受け継ぎ、国民的な愛唱歌を歌い継いでいく決意を込め、爽やかな秋空に「琵琶湖周航の歌」を響かせた。
第1部の碑前祭で、主催者を代表して小口太郎顕彰碑等保存会の小口久一会長(71)=湊=は、琵琶湖周航の歌の作詞のほか、物理学者としての太郎の功績に触れ「ものづくりの街岡谷の原点に立つ方でもある。湖面に流れるメロディーは心からの鎮魂の調べであり、冥福を祈念する」などと式辞を寄せた。
今井竜五市長や岡谷商工会議所の林新一郎会頭、京都大学関係者らのあいさつに続き、出席者で琵琶湖周航の歌を斉唱。顕彰碑や歌碑を眺めたり、仲間同士で肩を組んだりしながら歌声を響かせ、郷土が生んだ偉人の功績をしのんだ。
セレモニーには太郎の後輩たちに当たる、諏訪清陵高校の現役端艇部員25人も参加。男子部長の小松壱成さん(17)=辰野町宮木=、女子部長の矢崎彩南さん(16)=岡谷市長地源=は「同じ学校の大先輩を誇りに思う」「小口太郎さんの名前に恥じないよう、私たちも頑張っていきたい」と話していた。
続けて下浜区民センターに会場を移し、滋賀県の琵琶湖周航の歌資料館の村井佳子館長が「名曲 琵琶湖周航の歌」の演題で講話。湊小学校の6年生は、この日まで練習を重ねてきた同曲をリコーダー演奏で披露した。
記念事業の第2弾で、11月17日(土)にカノラホールで記念コンサートも予定する。
歌碑の原本初披露
江崎玲於奈さん揮毫
18日から美術考古館に展示
湊に立つ歌碑の原本は、太郎の後輩に当たり、ノーベル物理学賞を受賞した物理学者、江崎玲於奈さんが1998年に揮毫(きごう)。岡谷市が30年間保存してきたものを、本年度で額装し、講話の席上で初めてお披露目された。
額は全部で七つ。岡谷美術考古館の学芸員は「小口太郎と江崎さんが同窓生という縁のほか、保存会の皆さんの尽力で書いていただいくことができた」と経過を説明し、「江崎さんは、小口太郎は尊敬する先輩であり、存命であれば私より先にノーベル賞を取っていたと思う」などと語っていたという逸話も紹介した。
同館は功績を市民らに広く知ってもらいたいとして、18日(木)から11月4日(日)まで館内で「小口太郎と『琵琶湖周航の歌』展」を開催。出来上がった歌碑原本の額装のほか、小口太郎や江崎さんの功績をまとめたパネルなどを展示する。
問い合わせは同館(電22・5854)へ。
写真=碑前祭で秋空に「琵琶湖周航の歌」を響かせる出席者、歌碑原本の額装がお披露目された(上)
歌碑原本の額装がお披露目された(下)