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盆休み延長要求し役員宅を封鎖? 南箕輪村で伝統の「盆正月」
2018年8月18日
南箕輪村田畑で16日夜から17日朝にかけ、区役員4人の自宅と公民館を封鎖する伝統行事「盆正月」があった。若者や子どもたちが、物置から農機具などを運び出し、玄関前に積み上げて出られなくする実力行使で、休みの1日延長を要求する意味とされる。区役員たちは習わし通り、区内に「きょうもゆっくり休んで」と連絡した。
盆休みで遊び疲れた農家の若者たちが「もう1日休みを」と求めたのが始まりとされ、江戸時代末ごろから行われる。同様の行事は全国各地にもあったが、続いているのは田畑だけという。実際には休みにならないが、かつては青年会、今では小学校PTA地区組織や有志が仕掛け、伝統を継承している。
三澤稔区長宅では、流し台や自転車などが玄関を封鎖。サドルにはひっくり返した鍋が載っていた。台の上には、寒天の型と急須を白い布で包んで表現した鏡餅が並び、周りには太り過ぎたナスやキュウリ、小さなジャガ芋が飾られた。物干しざおには長靴が掛かり、軒先に届きそうなヒマワリが縛り付けられ、プランターや雪かきなども積み上がった。
裏から出てきた三澤区長は「昔と比べると美しく飾ってあるね」と笑いつつも、「どこから出してきたのか。片付けがえらいな」。加藤義幸区長代理に、「休み」をメールで連絡した。通り掛かった近所の人たちは「お正月、おめでとう」「立派に飾ってもらって良かったね」と笑っていた。
(写真は、裏から出て封鎖された玄関に苦笑いの三澤区長)