NEWS

「塩嶺小鳥バス」今季運行始まる

2018年5月8日

小鳥バス180507

 朝影に野鳥の姿を追う岡谷市の初夏の風物詩「塩嶺小鳥バス」(岡谷市主催)が6日から運行を始めた。初回は90人が参加し、芽吹きが輝くすがすがしい朝の森で、野鳥のさえずりに耳を澄ました。
 1954年に始まり65回目。参加者は、爽やかな朝日が注ぐ中、JR上諏訪駅前午前4時50分始発の2台のバスで小鳥の森を訪れた。同森コーディネーターの林正敏さん(74)の説明を聞きながら、芽吹いたばかりでまだ視界の利く木々の間に野鳥を探し、静かに耳を傾けた。終了後は、塩嶺閣で小鳥バス名物の渋茶と漬物で野鳥談議に花を咲かせた。
 約2時間の探鳥会で観察されたのは、コゲラ、アカゲラ、シジュウカラ、クロツムギ、サンショウクイ、キビタキ、イカルなど23種類。さえずりと地鳴きの違いの説明や、ことしは池の周辺にカワセミの繁殖地が確認できたという話も。自生するフデリンドウ、マムシグサなどの植物にも関心を高めた。
 参加した伊那市の小学生(9)は「鳥の鳴き声を教えてもらい勉強になった」。初回から続けて来ているという岡谷市の男性(85)は「小鳥の数が年々多くなって、自然が回復してきたのを感じる。子どもや家族連れも多くなった」と話していた。
 小鳥バスは、6月24日まで毎週日曜日に運行する。料金は上諏訪乗車が大人1200円、下諏訪と岡谷乗車は1000円(小学生までの子どもは各半額、小学生未満は無料)。バス利用者には、林さんがデザインしたオリジナルピンバッジをプレゼント。野鳥の解説が鮮明に聞こえるワイヤレスレシーバーや双眼鏡を貸し出す。問い合わせは商業観光課(電23・4811)へ。

(写真)朝日が差し込む森で野鳥を観察する参加者