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蚕糸博物館と農工大初の共同開発 西陣織ネクタイ完成

2018年3月9日

HP農工大と協定でネクタイ
 岡谷蚕糸博物館と東京農工大学科学博物館(東京都小金井市)の連携協力に関する協定に基づき、同大産の繭から蚕糸博物館併設の宮坂製糸所が糸を取った西陣織のネクタイが完成した。製品の共同開発はこれが初の事例。シルクらしい光沢に丁寧な織りや縫製、大きめのドット柄が印象的。蚕糸博物館の高林千幸館長は「これを起点に今後も、一緒にいろいろなものを発信していければ」と話す。
  協定は昨年12月に締結。宮坂製糸所は2、3年前から農工大から繭を買うなど取引があり、製品開発の話は以前から出ていたという。協定を機に話が具体化し、納入された晩秋蚕15キロを3キロの糸に。京都市西陣の業者が染めや織りなどその後の工程を担った。
 蚕糸博物館によると、繭は相模原市の農工大付属施設で生産。宮坂製糸所が21デニールと、比較的細い糸3本を撚糸(ねんし)して業者に納入した。まずは少量で試作しようと、ネクタイ8本を仕立てて今月から販売を始めた。
 宮坂製糸所の専務取締役、高橋耕一さんは製品を見て「織りや縫製など非常にクオリティーが高い。良いものができた」と好感触。同社のショップと蚕糸博物館のショップに並べ、今後は農工大や農工大博物館でも販売する方向で調整が進められているという。
 価格は9千円(税抜き)。今月下旬ころには第2弾として、同じドット柄の名刺入れも仕上がってくる予定といい、3千円前後になる見込み。高林館長は「協定を結んで共に商品開発し、売り出す例は少なく、宮坂製糸所があるからこそできること」とする。
 問い合わせは蚕糸博物館(電23・3489)か、宮坂製糸所(電22・3116)へ。
(写真は、原料となった農工大産の繭と西陣織のネクタイ)