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御神渡り5季ぶりに出現
2018年2月2日 諏訪湖に御神渡(おみわた)りが5季ぶりに出現した。御神渡りの拝観などの神事をつかさどる諏訪市小和田の八剱神社が1日朝の監視で、同市渋崎の旧六斗川河口近くの岸から沖に伸びる筋のせり上がりと、筋の起点(下座=くだりまし)を確認。宮坂清宮司(67)は「拝観式に向けて準備を整えたい」と語った。同神社は早急に臨時の総代会を開き、御神渡りを正式認定する拝観式の日程を決める。
御神渡りは、せり上がった氷の筋がうねるように走る自然現象で、伝説では諏訪大社上社の男神・建御名方神(たけみなかたのかみ)が、下社の女神・八坂刀売神(やさかとめのかみ)のもとへ通った「恋路」といわれる。建御名方神が降り立った所が下座、上がった所が上座(あがりまし)とされる。
今季の諏訪湖は、1月15日に全面結氷したものの、その後の大雨と寒の緩み、強風で一度解けたが、氷点下11・4度まで冷え込んだ27日朝、再び全面結氷。28日も最低気温が氷点下10度を下回り、安定した氷になった。
冷え込みは29日からやや緩み、寒暖差で下諏訪町の赤砂崎沖や高木沖、岡谷市の湊沖などに氷のせり上がりが複数出現した。しかし、いずれも諏訪湖の東西に伸びる筋で、上社がある諏訪市側から下社のある下諏訪町側へ伸びる南北の筋が確認されたのは、31日朝だった。
1日の監視も、いつも通り午前6時半から開始。諏訪市豊田の舟渡川河口の氷上に出て、渋崎の旧六斗川河口近くの岸から沖に伸びる筋に沿って進み、氷のせり上がりの状態や筋の起点などを確認した。氷の厚さは9㌢で、前日より1㌢増した。
御神渡りは、諏訪湖の南北に伸びる筋2本(一の御神渡り、二の御神渡り)と、東から西に向かう筋1本(佐久の御神渡り)が交差して認定される。どの筋がどの御神渡りに認定するかは臨時の総代会で決定される。
宮坂宮司は「良かった。もっとせり上がればいい。この2、3日期待して待ち、拝観したい」。宮坂英木大総代(73)は「(拝観式を行うのに)ふさわしい状況になってきた。もう一日氷の状態などを確認して、総代会を開きたい」と語った。
御神渡りの出現は、平成に入ってからは9回目。2月に入ってからの出現は、4日だった2012年以来で、2番目に遅い。(写真は、岡谷市湊沖にできた御神渡り。氷のせり上がりは最大で50㌢程度=1日午前8時半ごろ)